日本ハム西川遥輝外野手(28)が夢の扉に手をかけた。同球団は3日、メジャー移籍を目指す西川のポスティング申請手続きを終えたと発表した。外野手が手薄なダイヤモンドバックスなどが獲得に名乗りを上げる可能性がある。日本ハムからは有原航平投手(28)に続いて今オフ2人目で、同一シーズンに同一球団から複数の日本人選手がポスティング申請するのは史上初めて。契約交渉期間は3日午後10時(米東部時間午前8時)から1月3日午前7時(同1月2日午後5時)まで。

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タイミングを見極めてきた西川が、ついに動いた。日本ハムがポスティング申請の手続きを完了。メジャー球団との交渉期間は年明けの1月3日午前7時(米東部時間同2日午後5時)まで。シーズンを終えた11月9日に「ぶれずに1年間やってきたので、その夢は持ち続けています」と明かしていたメジャー挑戦への思いは、球団の理解も得て、実現へと踏み出した。

代理人には米大手エージェント会社「ワッサーマン・メディア・グループ」から独立したジョシュ・パーセル氏と、この日までに契約したことも判明。昨オフには巨人からブルージェイズへポスティング移籍した山口を担当したことでも知られる。外野陣が手薄で俊足巧打の1番打者が強化ポイントとなりそうなダイヤモンドバックスに加え、パドレス、ジャイアンツ、ブルージェイズなどが興味を示しそうだ。

コロナ禍でメジャー球団の経営状況も厳しく、高額な契約は難しいとみられるが、モデルケースとなりそうな契約例も出てきた。今季年俸300万ドル(約3億1500万円円)でナショナルズに所属し、控えだったマイケル・テイラー外野手(29)は、来季年俸175万ドル(約1億8300万円)プラス出来高100万ドル(約1億500万円)でロイヤルズと契約した。出来高の内容は200打席到達で25万ドル(約2600万円)など打席数で細かく設定され、減俸分は活躍度合いで取り返す形だ。

テイラーと似たような立ち位置の西川も、今季推定年俸2億円より低い年俸提示でも、手厚い出来高を付けることで、同様の契約を得られる可能性はある。かねて「自分みたいなタイプが今までメジャーリーグを目指すということがなかったから、通用するようにしたいという願望がある」と話していた西川が、覚悟を持って前に踏み出した。

▽ダイヤモンドバックス カルフーン、ペラルタの実績あるベテランを中心に若手が脇を固めるが、層の厚みが必要。攻撃力のアップグレードが最大の課題。

▽パドレス 右翼にベテランのマイヤーズ、中堅に期待の若手グリシャムがいるが、プロファーがFAで抜け、ユーティリティー性の高い外野手を加えたい。

▽ブルージェイズ 元DeNAのグリエル弟、3年連続2桁本塁打のヘルナンデスら若い選手がそろっている。実績と安定感のあるベテランに興味を示している。

▽ジャイアンツ ヤストレムスキー、ディカーソンら強打の左打ち選手がいるが、球団は左打ちの打線をより強化する意向。目玉FAのオズナにも興味。