広島鈴木誠也外野手がチームの低迷に危機感を募らせた。2年連続Bクラス。「勝たないといけない試合で勝てなかった」。「逆転のカープ」と称され、3連覇した18年の逆転勝利数はリーグ最多の41だったのに対し、今季は12球団ワーストの13まで落ち込んだ。主砲は「弱いところから3連覇があって、今は弱い時にすごく近づいている。このままだと、たぶん弱くなる」と眉をひそめた。

強い時代を知るからこそ、勝てないもどかしさがある。チームの若返りが進んでいるだけに、改めて連覇を経験している中堅以上の重要性を説いた。「僕も最初の頃は分からなかった。(1軍に)いさせてもらって、分かることがたくさんある。経験しているか、していないか」。11月末には長年チームを支える田中広が国内FA権を行使せず残留を表明した。「経験がある人たちが数多くいた方が(若手に)伝えられると思う」。強いカープを取り戻すべく、チームの先頭に立って、仲間を鼓舞していく。【古財稜明】