プロ野球12球団合同トライアウトが7日、行われる。戦力外通告を受けたが現役続行を目指す選手、1度は引退したが現役復帰を目指す選手らが会し、シートノック、シート打撃で現在の能力を示す。今年は一般に非公開だが、06年まで日本ハムでプレーし、15年ぶりの復帰を目指す新庄剛志氏(48)らが参加を予定。注目度が極めて高い。5つの焦点を紹介する。

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新庄氏の参加で注目度が上がった今年のトライアウト。近年はNPB球団と契約する選手が少なくなっているが、昨年も田中豊樹(日本ハム)と八百板卓丸(楽天)が巨人、森越祐人(阪神)は西武に入団した。5ポイントを挙げる。

<1>ビッグネーム 日米4球団で通算1524安打の新庄氏が参加する。メジャー経験者では10年オフに日米通算234セーブの小林雅英(巨人)がオリックス入りした。由規(楽天)は10年には当時日本人最速の161キロを投げ、12勝した。近藤(ヤクルト)は18年に最優秀中継ぎ。岩隈(巨人)の引退で、移籍先が決まらないと近鉄に在籍した現役投手が消える。

<2>ソフトバンク 投打ともに支配下に強力選手がそろうため、思わぬ実力者が育成枠から戦力外となるケースがある。15年の白根は、育成再契約の打診を断りトライアウトに参加。DeNAの契約を勝ち取った。18年も山下が快速球を披露し、巨人にテスト入団している。今年は育成の田城、堀内、大本が参加する予定。

<3>実績組 宮国(巨人)は、13年に開幕投手を務めるなど通算21勝。内(ロッテ)は故障と復帰を繰り返しながら通算308試合で20勝12敗56セーブ、87ホールド。18年には自己最多の26セーブを挙げた。

<4>ドラ1 藤岡(巨人)は11年に3球団競合でロッテへ。伊藤隼も同年に阪神が指名。白崎(オリックス)は12年DeNAに指名され、18年途中に移籍。鈴木翔(中日)は、13年に聖隷クリストファー高(静岡)から初のプロ入りで注目された。

<5>左腕 ワンポイント起用が可能なためチャンスが多い。野田(西武)山田大(ヤクルト)藤岡(巨人)は1軍経験も豊富。日本ハム宮台も見逃せない。14年には陳冠宇(DeNA)佐藤祥万(日本ハム)が新天地をつかんだ。

対戦形式のシート打撃だけでなく、シートノックから目が離せない。【斎藤直樹】

▽20年トライアウト

◆スケジュール 12月7日午前9時45分集合、10時から野手はシートノック、投手はブルペン調整。10時30分からシート打撃。

◆ルール シート打撃は0アウト1ボール1ストライクのカウントからスタート。

◆コロナ対策 一般には完全非公開。取材陣にも2週間前からの健康状態と行動記録の把握を義務づけ。