奇跡の大逆転CSへ-。広島森下暢仁投手(24)が15日、中5日で先発する16日巨人戦(東京ドーム)での必勝を誓った。チームは終盤の怒濤(どとう)の追い上げもあり、最大15ゲームあった巨人に4ゲーム差に迫った。3位巨人との今季最終戦へ向け、マツダスタジアムで投手指名練習に参加した右腕は「大事な試合になる。後半戦全然ダメだったので、しっかりいいピッチングをして、チームの勝ちに貢献したい」と闘志を燃やした。

長い苦しみのトンネルを抜け出した。前半戦を6勝4敗で終え、東京五輪では決勝で快投するなど金メダル獲得に貢献。しかし後半戦は8試合連続で勝ち星を逃した。前回10日巨人戦で約3カ月ぶりの白星を手にし、「気持ち的にも楽になりましたし、チームの状態もいいので、この勢いに乗っていけたらいいなと思います」と力を込めた。

悔しい経験を糧にする。腐らず懸命に取り組み続けたことが、長い時間をかけて待望の勝利につながった。右腕は「来年もまた(勝てない期間が)来た時に、どうやって生かすかが大事。いい経験になりましたし、その中でも絶対に勝たないといけないところは勝たないといけない。長く勝ちがつかなかった期間を、これから短くしていけたら」と気を引き締めた。

森下は残り9試合で、あと2度の先発が予想される。「残された試合は負けられないので、必死にやりたい」。壁を乗り越えた右腕が、逆転CSへの“ラストチャンス”をものにする。【古財稜明】