21年の三井ゴールデン・グラブ賞が2日に発表され、中日柳裕也投手(27)が5年目で初受賞した。今季は最優秀防御率(2・20)、最多奪三振(168)の2冠を獲得しており、3つ目の勲章となった。中日からは3人が選ばれ、大島洋平外野手(36)が4年連続9度目、ダヤン・ビシエド内野手(32)が2年連続2度目の受賞を果たした。

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初めて金色グラブのトロフィーを手にした柳は、感激でいっぱいだった。「歴代もすごい選手ばかりで、自分の名前を刻めたのは光栄。取れてうれしいです」。11年の浅尾拓也以来、球団6人目の投手部門受賞。ベストプレーに選んだのは10月12日、本拠地ヤクルト戦でのワンプレーだった。

「打者を抑えることに入っていた。その中でああいうプレーができたのは良かった」。2-2で迎えた7回1死一、三塁で代打宮本が登場。カウント1-1からの3球目に、スクイズを仕掛けてきた。柳は投球動作に入ると同時に三走渡辺の動きを察知。素早い反応で高めにウエストした。捕手木下拓が走者をタッチアウトにしてピンチを脱出。自己最多タイの11勝を呼ぶ、大きなプレーになった。

「高校で守備を鍛えられた。小倉さんに一番に報告したい」。横浜高校では入学時から毎日、当時コーチだった小倉清一郎元部長(77)にフィールディングを鍛えられた。「起きる頻度の少ないプレーもやった。高校で基礎ができた。それがあの場面でも出た」。今季限りで引退した西武松坂、1月に弟子入りした楽天涌井ら、横浜出身で同賞を獲得した小倉門下生の先輩に仲間入り。2年連続失策0の基礎を築いてくれた恩師に感謝は尽きなかった。

最優秀防御率と最多奪三振のタイトルに加え、ゴールデングラブ賞で3冠目。「充実の1年だったけど、まだ1年やっただけ。来年、再来年と続けていけるようにやっていきたい」。この日もナゴヤ球場で汗を流した右腕が、さらなる飛躍を誓った。【伊東大介】

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