西武が今季初の4連勝と勢いに乗ってきた。この日は「中5日」を選択し、楽天に対して今季初の同一カード3連勝に成功。貯金は今季最多の3に増え、2位ソフトバンクに引き続き肉薄している。
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西口文也監督(53)ら西武首脳陣は「中5日」の菅井信也投手(23)の先発マウンドに送り出し、その決断で勝った。
「5回まで投げてくれれば御の字と思っていたので。本当に良く投げてくれました」
成長を期待するからこそ菅井には割と辛口だった西口監督が、混じりけなしに褒めたたえた。
平良海馬投手(26)が3日ロッテ戦(ZOZOマリン)に先発したものの、右上腕の張りで1回を終えて緊急降板。仮に平良を飛ばすなら、代役はどうするのか-。西口監督の説明はシンプルだった。
「もう、先まで決めてるから」
「先」がいつかは不明ながら、少なくとも交流戦手前までは先発ローテーションを決めている空気が、行間から伝わった。突貫工事で再構築するのではなく、ピンポイントで-。
翌日4日、ソフトバンク戦(ベルーナドーム)。大量リードしている展開ながら、菅井を6回100球で降板させた。「あそこはもう、日曜に投げさせようと決めたから早めに下ろした感じです」と西口監督は振り返る。
中5日。現代野球では珍しい言葉になった。特に先発投手陣が充実する西武だからこそ、異例といえる。首脳陣の思い切りの良さ、決断の潔さが光る。
豊田清1軍投手チーフコーチ(55)は「若いんだし、むしろこれをチャンスと思ってやってこれないと」と菅井を送り出した。いつも通り、ベンチで緊張もしながら-。ただ本番を迎えても慌てることはない。楽天も同じく中5日の瀧中が先発し、序盤からブルペンが慌ただしかった。
対して西武ブルペンは、至って静か。球数次第で菅井は早めに早めに代えよう…といった思惑を全く感じない静けさ。5回2死でようやく黒田将矢投手(23)が初めてボールを投げ始めた。それまでは誰もキャッチボールをしていない。「菅井=5回」のパッケージで任せきっていた。
1つ、疑問が残る。ファームで好投を続けるアラン・ワイナンス投手(30)が前日9日にまたファームで2けた奪三振の快投を見せた。中5日で菅井ではなく、ワイナンスを10日の1軍楽天戦で投げさせた方が良かったのでは-。
ここにも西口監督の「もう、先まで決めてるから」が反映されてくる。つまりワイナンスにはもう“その日”が設定されている、ということ。土曜日から中6日、または中7日。16日か17日の日本ハム戦(エスコンフィールド)で1軍デビューする可能性が高い。
なぜ日本ハム戦なのか。なぜ10日の楽天戦でデビューさせなかったのか。
「そこはね…」
西口監督が意味深に笑いつつも、正解は明かさない。ただ、その笑みだけで、割と核心に迫っていることが雄弁に伝わる。
楽天は走る。もちろんクイックなどの対策は十分に練習してきているとはいえ、初登板の助っ人への負荷はできる限り避けたい。
日本ハムはとにかく本塁打が多い。ワイナンスは左右に大きく曲がる横の揺さぶりが特長。リスクはあるものの、本塁打対策として良い方にはまる可能性も十分にある。
西口監督は「1回しかないチャンスだから」とドラフト1位の小島大河捕手(22)にスタメンマスクを任せた。そういった“入り”を大事にする監督だ。
3Aで12勝を挙げた実績の持ち主でもある。長いシーズン、いかに助っ人に気持ち良く投げてもらうか。そこを想像すると、あえて楽天戦にぶつける必要はなかった-。そう推理する。【西武担当=金子真仁】



