日本生命セ・パ交流戦で西武が天下を取った。交流戦21度目での初Vだ。5回、桑原将志外野手(32)の適時打での1点を、強力投手陣と守備で守り切った。交流戦を14勝3敗1分で終え、勝率8割2分4厘は12球団の歴代最高値となった。2年前はシーズン91敗の苦杯を味わったどん底からの初タイトル。圧倒的アウェーの甲子園で勝ちきった自信を胸に、秋のリーグ優勝へと駆ける。
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月が出て、ライオンを輝かせた。優勝を決めたクローザー甲斐野央を中心に、緊張がほどけてから喜びをかみしめる。ガッツポーズ。380人の左翼応援席からは、前身西鉄に由来する「炭坑節」が響く、甲子園の夜。西口監督は「ホームでもビジターでも声援が本当に力になっていました」と心の奥底から感謝した。
21度目の交流戦で一番強いチームになった。投げる、打つ、守る。当たり前を当たり前に。それを破れば懲罰交代に。ただ今の西武にはプロ野球チームなのに、アマチュア野球のような「和」もある。
7回裏が象徴だ。1点リードの1死一塁、トレイ・ウィンゲンター投手(32)が盗塁を許した。アウト判定もリクエストへ。5分近いリプレー検証だった。「長かったね。アウトって言ってくれると思っていたけど。でも最悪の事態も想定して集中が切れないように」。剛腕助っ人は昨季、こういう場面から乱れた。自覚もある。その状況でリクエストが覆り、甲子園が爆音に包まれた。
でも抑えた。捕手小島が、石井が、長谷川が、次々とマウンドに来てくれた。「仲間を再認識できたよ。すごく心強かった」。武内のピンチでは滝沢や渡部も行った。偶然、皆1人ずつ。内野の要の源田は「別にローテーション、決まってないですよ」と笑う。気付いた人が順番に行く。
西口監督はキャプテンを置かない。「誰も指名しない。絶対に指名しない。みんなに責任感持ってもらうほうがいいじゃん」。思いは浸透した。どん底の2年前。指揮官は就任打診に迷わなかった。「あとは登るだけ。それに…ライオンズは強くなきゃ面白くないんでね」。プロは勝って和す、アマは和して勝つ-。本拠地の通路に書かれた言葉の通りなら、西武はこれでまた和す。一丸で天下を取りにいく。【金子真仁】



