西武滝沢夏央内野手(22)が低い送球への好反応で併殺に絡んだ直後の3回2死、今度は三遊間前寄りの打球を捕球後にノーステップでジャンピングスロー。「守って怖さは感じます」というソフトバンク打線の鋭さにも、身長163・8センチの体で忍者のように対応した。球場が拍手に包まれた。
WBCでも美守を世界に響かせた源田壮亮内野手(33)が昨秋、記者にこう言った。「いや、僕は今年は…。それより夏央は取れそうですか?」。オフのゴールデン・グラブ賞の投票のことだ。常連中の常連の源田も認める守備ながら、二塁も遊撃も両方守る器用さゆえ投票が分散しないか-。そんな心配だった。
内野手はチーム試合数の50%でその守備位置で出場しないと、投票候補にノミネートされない。滝沢は結局二塁でノミネートされ、記者投票でソフトバンク牧原大に46票差での2位だった。ただオフにはフジテレビの企画でプロ野球選手たちから「守備の達人」で1位に選ばれた。今回も選手間投票で堂々、オールスターに出場する。
チーム事情で今季も試合中に二遊間をハシゴする。ここまで二塁で55試合、遊撃で53試合、三塁で9試合。このペースだと二塁と遊撃双方でノミネートされ、源田の懸念通り、票分散の可能性がある。投票システムの自由記入欄に何度か書いた。複数ポジションも普通の時代になった。同賞に「ユーティリティー部門」を創設してはどうか。記者も牧原大に投票したかったのに、どの守備位置でも基準にギリギリ未達で投票できなかった経験がある。どこでも高次元の能力を発揮できる選手も、表彰されるべきだ。【西武担当=金子真仁】



