阪神が4連勝で2位巨人とのゲーム差を3に広げた。3カードぶりの同一カード3連勝で、貯金を今季最多の14に伸ばした。23年ドラフト1位の下村海翔投手(24)が5回2失点でプロ初勝利。1年目の4月に右ひじのトミー・ジョン手術を受け、今季ようやく実戦登板。5度目の先発で待ちに待った白星を手にした。

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下村が伝統の一戦の熱量を肌で感じたのは小学生時代だった。甲子園球場のおひざもと、西宮市出身。甲子園へ自転車を走らせ、満員のスタンドで友人と観戦。巨人選手のダイビングキャッチに思わず「うわ、すげえ」と声を出し、「なに応援してんねん」と阪神ファンに怒られたことがあった。子供心に漏れた一言を今でも鮮明に覚えている。

地元出身だからこそ、阪神入団は身の引き締まる思いだった。ドラフト会議直後は、小中学校の同級生から数え切れないほどの連絡が来た。「うれしくもあり、阪神というのをどういうチームかをよく知ってたので。もちろんうれしいんですけど、『これしっかりやらなやばいな』という、引き締まるというか『指名されたからって浮かれてられないな』という、そっちの方が強かった」。覚悟を胸にプロ人生をスタートさせた。

そこから約2年半のリハビリ生活。それでもSGLやキャンプ地で多くのファンが声をかけてくれた。「僕のこと『西宮の子だから』と言ってくれるファンの方もいて。リハビリでしんどい時期はすごく心の支えになった。そういった人たちに恩返ししていきたい」。プロ初登板以降も、SGLの残留練習後に30分以上サインする場面も。これからは子どもたちの目を輝かせる番だ。【村松万里子】