プロ5年目の巨人代木大和投手(22)がプロ初先発で初勝利を挙げた。愛媛から駆けつけた家族が見守る東京ドームで気迫の投球を披露。76球を投げて最速152・1キロを計測。5回4安打無失点4奪三振と役割をきっちり果たした。
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もうろうとする意識の中で、代木はうめいていた。「痛い、痛い…」。24年4月、横浜市内の病院でトミー・ジョン手術を受けた。
21年ドラフト6位で入団。2年目の23年には10代投手では球団22年ぶりの開幕1軍をつかみ、プロ初登板も。それから約1年後、術後の病院のベッドの上にいた。左腕はギプスでがっちり固められていた。
父謙太さん(46)は、いまも、麻酔から覚めた、悲痛な息子の声を覚えている。「痛い…」。松坂世代の自身は、亜大でプロを目指したが1年時に肘を骨折して手術。長いリハビリ経験があった。つらさは分かる。愛媛から駆けつけた。「気長にやれよ」と声をかけるのが役目だった。
父は右腕だが、息子は左腕。「寝返りから左を使ってた。おばあちゃんの遺伝ですね」。この日スタンドで見守った祖母満子さん(73)から、左腕の未来を授かった。毎年10月に行われる愛媛・松山市の秋祭りでは、3歳の時に大人が担ぐみこしの上で熟睡した。「あいつは大物になるよ」。支えたお祭り仲間の間では、いまも語り草だ。
手術から2年4カ月。家族とは毎日連絡し合った。何より、多くの人に支えられた。「僕だけの力でつかんだ勝利じゃない。リハビリから支えてくれた皆さんのおかげで勝ち取った勝利だと思う。皆さんに感謝を伝えたい」。もっと大物になって、恩返ししていく。【阿部健吾】



