プロ野球で長年懸案だったフリーエージェント(FA)制度の見直しが30日、決定した。日本野球機構(NPB)とプロ野球選手会が合意し、実行委員会で可決された。来年オフから「人的補償制度」を廃止して、翌年の「ドラフト指名権」か金銭での補償へ移行する。また今オフから、35歳以上の選手はランクに関わらず補償が不要となる。移籍の活性化に向けた画期的な改革となる。

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今回の制度改革において、年俸10位までだったBランク下位選手の移籍活性化が大きな焦点となった。まずはBランクの設定を見直し、従来のBランク下位2選手が「補償不要」となるCランクへ移行。さらにBランク8位の補償が「金銭のみ」に変更された。選手会関係者は「これまで膠着(こうちゃく)していたBランク下位層の移籍が大きく活性化する」と前向きに捉えた。

一方、球団側にとっては「人的補償」が頭の痛い問題だった。28人のプロテクトリスト作成は苦渋の決断を強いられる作業であり、人気のあるベテラン選手を放出すれば「せっかく育てた選手を奪われた」とファンや世論からの厳しい批判にさらされる。

補償による戦力低下や世論の反発を回避したい球団側と、FA行使のハードルを下げたい選手会側の双方の利害が合致した形だ。

また、35歳以上の選手に対する補償廃止については、原則として独占禁止法違反には当たらず、これまでの貢献に対する対価、回収の仕組みとして機能しているという判断がなされている。ベテランの移籍円滑化を図る狙いもある。

流出の痛みをドラフトの何位で測るかという課題を残しつつも、移籍の活性化に向けた新たなフェーズへとかじを切ることになる。【NPB担当・鳥谷越直子】