ボクシングWBC世界バンタム級王者井上拓真(30=大橋)が返り討ちで区切りの日本人マッチ10勝目を狙う。

27日、トヨタアリーナ東京で同級1位那須川天心(28=帝拳)との2度目防衛戦を控える。昨年11月の初対決で判定勝利してから約10カ月ぶりの再戦に向け、15日に横浜市の所属ジムで練習を公開。プロデビュー時から王者クラスの日本人と拳を交えて得た経験、技術、スキルの差を発揮し、那須川に2連勝するつもりだ。

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約10カ月ぶりの再戦へ、井上は王者らしい風格を漂わせた。初対決は12回を戦い抜き判定勝利。自身と那須川の実力差は頭と肉体にインプットされている。井上は「相手は相当な気持ちでくると思う。自分はしっかりと返り討ちするだけ。全部に対応し、集中して緊張感を持って倒すだけ」と淡々と話した。

今年5月の井岡一翔(志成)戦の判定勝利を含め、井上は日本人マッチ9勝1敗。13年12月のデビュー戦の相手で、当時の日本ランカー福原辰弥は、のちにWBO世界ミニマム級王座を獲得した。これまで拳を交えた日本人は世界や地域の王座獲得が最高成績という強敵王者ばかり。その経験が那須川との戦いの幅、スキル、技術の差となっている自負もある。

「距離を取っても、出てきても、どの展開でも、自分の方が引き出しは多いと思う。自分はどちらでも対応できるタイプ。1戦目同様に対応するだけ」

万能型を自負し「ひらめき」を重視する。井上は「試合が始まって瞬時に判断して作戦を立てる。毎回、そうやってきている。最後は気持ちの勝負。その気持ちの面でもしっかり上回る」とキッパリ。王者らしい雰囲気を横目に所属ジムの大橋秀行会長(61)も「いつも通りやって勝っていく」と太鼓判を押した。

今回の興行には「これで最後だ」とのフレーズが掲げられた。

「これで最後。自分に負けて他の団体にいくのではないか。もう再戦と言えないぐらいにしたい。簡単にひっくり返らないぞと。井上拓真の壁は大きいとみせつけたい」

舞台は同じ会場。昨年11月の再現で那須川を返り討ちし、区切りの日本人マッチ10勝目に花を添える。【藤中栄二】

〇…井上の公開練習には、那須川陣営として葛西裕一トレーナーが視察に訪れた。井上の披露したシャドーボクシング、ミット打ちの各1回をチェック。スマートフォンで動画も撮影した葛西氏は「速い。テンポも井上チャンピオンのボクシング。こちらは挑戦者で崖っぷち。天心はいかざるをえないし挑戦者としていかなければ。胸を借りるつもりで。分かりやすい構図。できたら倒したいよね」と強調した。