向正面最上階で盛り上がりを見せる一角があった。「正代~。小柳~~」。男たちの野太い声が響く。この異様な集団の正体は、東京農業大学校友会福岡県支部の会員約40人だった。東農大OBの正代が十両に上がった去年から応援ツアーは始まった。今年からは、同じOBの小柳も十両に上がり、さらに盛り上がりを見せる。

 支部長の木部穣さん(63)は「母校を盛り上げるのが我々の使命ですから」と力強く話した。東農大の応援といえば「大根踊り」。さすがに本物の大根は使わないが、風船で作った大根と、正代と小柳の名前が入った手作りうちわで声援を送った。その声量でひときわ目立つ応援も東農大で応援団長を務めていたからだ。

 東農大出身の現役力士は序二段謙豊、加美豊、幕下双大竜、朱雀、十両小柳、前頭正代ら6人。他にも元大関豊山、時津風親方(元前頭時津海)らを輩出している名門校だ。

 5日目のこの日は正代と小柳が白星を挙げた。正代は「ちらっと見えました。応援はありがたい」。小柳は「内容は良くなかったけど声援には応えられた」と恥ずかしそうに笑った。母校の力を背に残り10日間走り続ける。【佐々木隆史】