“最後”だからこそ指導に熱が帯びる。峰崎親方(元前頭三杉磯)は弟子に対して「最後まで襟を正してほしい」と力を込めた。5月で日本相撲協会の定年となる65歳を迎える前に、今場所限りで峰崎部屋は閉鎖される。力士らは場所後に同じ二所ノ関一門の芝田山部屋に転籍する予定だ。

弟子の三段目、満津田が師匠の「愛情」を証言する。通常は取組の2時間前には場所入りするが、10日目の5番相撲は「ぎりぎり」の30分前ほどに到着。朝稽古で師匠から念入りに「立ち合いや相手の対策」の指導を受け、稽古終了時間が珍しく遅れたからだ。指導の効果か、右上手から投げの打ち合いを制して勝ち越しに王手。「最後だからか、今まで以上に付きっきりで教えてくれます。『(転籍後も)必ずお前たちの相撲を見るから』と言われた。本場所の結果で恩返しをしたい」と誓う。

部屋頭の幕下泉川は、入門前の高校3年時に糖尿病を患って1カ月入院した経験がある。133キロあった体重が97キロまで落ちるなど苦しい時期だったが、師匠が京都の病院まで何度も見舞いに来てくれた。「今でも感謝している。上に上がって結果で返せたら」。転籍後も恩返しは続いていく。【佐藤礼征】(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「大相撲裏話」)

浜田山(左)を上手投げで破る満津田(撮影・河田真司)
浜田山(左)を上手投げで破る満津田(撮影・河田真司)