08年北京オリンピック(五輪)柔道男子100キロ超級金メダリストで総合格闘家の石井慧(39=チーム・クロコップ)が2年11カ月ぶりの復帰戦を飾ることはできなかった。25年の米総合格闘技団体PFL(プロフェッショナル・ファイターズ・リーグ)ヘビー級王者オレグ・ポポフ(34=ロシア)と100キロ級バトルマッチ(10分1回)で激突したものの、0-3の判定負けとなった。

試合形式はコンバット柔術で顔面以外は打撃ありルール。23年8月、米ニューヨークで行われたPFL興行でのダニーロ・マルケス(ブラジル)戦以来、約2年11カ月ぶりの試合だった。石井は「結果は思い通りにいかなかったが自信はついた。僕はまだトップとやれるし勝ったと思った」と振り返った。

前蹴りを繰り出したPFL王者に対し、サウスポースタイルの石井は左ローキック、左ボディストレートを駆使。組み技では相手のヒザ蹴りをいなしながらタックルを仕掛けた。寝技でもバックからの再開後、両腕のロックをガッチリとコントロール。守勢となったポポフの脇腹に右ヒザ蹴りを繰り出すなど攻め続けた。残り1分で回転されてサイドポジションを取られてしまった。何とかスタンドに戻って組み技の攻防を入ったところで試合終了となった。

長年にわたって首、腰、ヒザと古傷と付き合いながら格闘家として現役を続けてきた石井は24年に感染症、敗血症寸前の症状で4度の手術を受けるなど入退院を繰り返した。昨年から米ハリウッド俳優として活動を続けながら徐々にカムバックに備えたトレーニングも再開。今年5月末から米テキサス州オースティンでトレーニングキャンプを開始した。22年に出会った柔術世界一のゴードン・ライアン(30=米国)の道場で週5回のペースでトレーニングを継続してポポフ戦に向けて最終調整していた。

PFL王者に競り負けた展開となった石井だが「対戦相手には一番は試合をしてくれた事に感謝です。彼がいなかったら試合できなかったです。2年前のことを考えたら試合できるだけで幸せで朝から涙が止まらなかった」と感慨深げだった。