WBC世界ミドル級7位村田諒太(29=帝拳)が、3戦ぶりのKO勝利で「世界進出」の足がかりにする。初の世界ランカー対決となるプロ第7戦が、今日1日に行われる。4月30日には都内のホテルで前日計量に臨み、対戦するWBO同級15位アタイジ(ブラジル)とともに1回でパスした。試合の中継局ではないNHKが密着取材を行うなど、注目度が高まる一戦で、存在をアピールする。

 計量後の写真撮影。村田は、襲いかからんばかりに前傾姿勢でにらみつけてくる相手を、貫禄十分に受け流した。世界王座の防衛戦を行う先輩三浦を抑えてのメーンの舞台。「気まずい思いもあるが、期待に応えたい」と静かに闘志を燃やした。スッポンのスープ、パスタ、肉、あんみつを食べると準備万全。リラックスした表情で勝利を誓った。

 日本人48年ぶりの五輪金メダリストが臨む、初の世界ランカー対決。注目度は高く、NHKは3月から2カ月間をかけて密着取材を敢行。6月中旬には、ドキュメンタリー番組「NEXT 未来のために」(水曜深夜)にスポーツ選手としては初めて登場することが決まった。

 村田がNHKで特集されるのはプロ入り直後の13年9月以来2度目だが、今回はスポーツ番組ではない。ノーベル平和賞を17歳で受賞したマララ・ユスフザイさん、JR福知山線脱線事故の遺族らを扱ってきた番組への登場は異例といえる。同局の関係者は「本格的な海外進出を前に、村田選手の『人』の部分に迫りたかった」と説明した。

 層が厚いミドル級で「世界」にたどり着くため、足踏みをするつもりはない。陣営は今夏にも米国進出する方針で、ミドル級「最強」の呼び声が高いWBA世界ミドル級スーパー王者ゴロフキンのキャンプに参加する計画もある。ここ2戦はKOを逃し、判定決着が続いた。たまった鬱憤(うっぷん)を拳に込め、力強く未来の扉をこじ開ける。【奥山将志】