WBC世界バンタム級王者山中慎介(32=帝拳)が、「ファイタースタイル」で難敵を崩す。22日の前WBA同級スーパー王者アンセルモ・モレノ(パナマ)との9度目の防衛戦に向け、14日には都内の所属ジムで練習を公開した。王座を12度防衛するなど卓越した防御を誇る挑戦者を意識し、自ら間合いを詰める好戦的な戦法を準備。豊富な引き出しで「バンタム級頂上決戦」を乗り越える。モレノはこの日の朝に来日した。

 モレノが日本に到着してから約5時間後の午後1時半、山中が2回のスパーリングで万全の仕上がりをアピールした。「100%勝つ」と豪語した挑戦者の声を伝え聞くと、「そう言ってもらわないと困りますし、自信がないと言われても困ります。でも、勝つのは自分ですけど」。笑みを浮かべて受け流す姿が、手応えの大きさを表した。

 鉄壁の防御は時に強引にでも打ち崩す。上体が柔らかく、パンチをもらわないことから「幽霊」の異名で恐れられるモレノ。山中陣営は、従来の遠い距離から左ストレートを打ち込むスタイルにこだわり、空回りする展開を警戒する。

 帝拳ジムの浜田剛史代表は「左は簡単に当たらないと思った方がいい。自分から距離をつぶして、強引にパンチを当てていく戦い方も求められる」と説明した。

 山中自身も攻撃のバリエーションをテーマに、スパーリングは過去最多150回を消化。ファイター型の動きや、右で揺さぶるイメージを作り上げてきた。「パンチが当てにくいのは分かっているが、何をすればよいかも分かっている。もちろん左を当てるイメージもある」と力を込めた。

 来日したモレノの身長、リーチ、雰囲気を報道陣に逆取材するなど、最強挑戦者への警戒心はこれまでの防衛戦以上に強い。減量もリミットまで残り1・5キロに迫るなど調整は万全だ。「勝ちにこだわる」と話す山中が、多彩な引き出しで勝負する。【奥山将志】