大金星で世界王座を海外奪取したWBO世界フライ級王者木村翔(28=青木)が、一夜明けた29日に上海から凱旋(がいせん)帰国した。
五輪連続金メダルで中国のスター鄒市明(36)を11回TKOで見事に打ち破った。日本ボクシングコミッション公認に限る王者の敵地で奪取となると、西城、柴田、大熊、三原以来36年ぶり5人目の快挙だった。
ベルトが届くのは2週間後で、3回に初めてカットしたという右まぶたに大きなテープが勲章。「遅くまですいません」と、出迎えた報道陣にまずは頭を下げた。「前夜から全然寝ていない。体中がバキバキで痛い。まだ実感はない」と話した。それでもネットに「100%無理」「日本人がヘビー級王者になるようなもの」と書かれた下馬評を覆し、「勝つという気持ちの勝利だった」と笑みを見せた。
初防衛戦は90日以内に指名試合が予定される。同級1位は元WBC王者五十嵐俊幸(33=帝拳)。「アマ出身の技巧派ですよね。見たことはないですが」と初々しいコメント。「誰でもいい。まぐれと言われないよう、これからが勝負」。同級はWBA井岡、WBC比嘉と日本人王者が3人。井岡は同じ年で高1で同じインターハイに出た。「あの頃から有名。ぜひやりたい」と意欲を見せた。
飛行機が遅延して、成田空港のロビーに現れたのは午後10時半近かった。居合わせた中国人観光客が鄒を破った王者と聞くと写真をねだられた。木村は有吉会長と取材を早々に切り上げ、上野に向かう最終電車に大急ぎで乗り込んだ。「あしたはゆっくりしたい」と都内の自宅へと向かった。

