小脳梗塞を発症していたことを今月9日に公表した天龍源一郎(69)が22日、都内で高田延彦(57)とトークショーを行った。

病を公表したのは最近だが発覚したのは4月で3度の入院を経て、6月に退院。その後もトークショーやテレビ出演をするなど精力的に活動していた。この日集まった約180人のファンの前に登場すると、「元気ですかー!」と第一声。アントニオ猪木のフレーズで、いきなり笑いを誘い、健康ぶりをアピールした。

天龍と高田といえば96年の2度の一騎打ちが知られる。場が温まってきたところで、その年の年間最高試合となったUWFインターナショナル神宮大会での初シングルに話が及んだ。高田は「不思議なファイターであり、アーティストであり、もちろんプロレスラーであり、格闘家であり、すべて兼ね備えている、人一倍なにくそという気持ちをもっている方。そういう天龍さんと交える幸福感があった。会社がきついとかそういうことふっとばして、たくさんの人が見ている前でやらせてもらえる、これを私のキャリアーにとって、大きな勲章にしたいという思いが強かった」と回想。「あの短い時間の中で、宇宙にいったり、観客を俯瞰(ふかん)してみれたりした。名勝負製造器である天龍さんが相手だったから、評価をいただいた。ありがたい気持ちでいっぱい」とあらためて先輩天龍に感謝した。天龍は「キックの打ち出すとき、佐山と高田は見えないんですよ。すっと入る」と高田の天性のキックを思い出し、たたえた。

病気公表以来初の公の場に姿を現し、変わらぬ元気っぷりを示した天龍に対し、高田は「156歳ぐらいまでしっかり生きていただいて、天龍魂を後生に伝えてほしい」とエールを送った。