名門看板下ろす協栄ジム、会長は再建意欲も不透明

ボクシングで具志堅用高、亀田興毅ら国内ジム最多13人もの世界王者を輩出した協栄ジム(東京都新宿区)がプロジムとしての活動を休止(休会)することが7日、分かった。実質的オーナーとの方向性の違いを理由に、金平桂一郎会長が決断した。9日にもジム会長らで組織する東日本ボクシング協会に休会届を申請し、統括団体の日本ボクシングコミッション(JBC)に説明するという。

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6日にジム休会の意向を東日本協会、JBCに伝えたという金平会長は「月曜日(9日)にも協会に休会届けを出します」と表明した。世界戦の赤字で経営が苦しくなり、12年には自社ビルを売却。現在の実質的オーナーらの支援を受けて運営してきたものの、今年になって方向性の違いが表面化したという。金平会長は「経営者とのトラブルです。弁護士を通じ、法的なものを進めていきます。協会から厳しい声も頂きましたが、私の責任においてできるのは休会ぐらい」と説明した。

協栄ジムは1959年(昭34)設立。海老原博幸をはじめ、日本歴代最多13度の防衛を誇るWBA世界ライトフライ級王者具志堅、渡嘉敷、鬼塚、亀田興ら有名な世界王者を育成してきたが、経営難で今年の協栄ジム主催興行はゼロだった。父正紀氏から引き継いだジムの歴史に1度、幕をおろす同会長は「ジムができて60年。このような結果になってしまって残念。責任を感じる」と口にした。

現在、協栄ジムには10人以上のプロ選手が在籍している。休会届が認められれば、JBC管轄下でのプロ興行開催、プロ選手の試合出場が不可能になる。亀田3兄弟のいとこ、京之介が在籍しており22日には全日本新人王決勝(東京・後楽園ホール)を控えている。「なるべく早く発表して、新たな所属で試合をしてほしいと思いました」としたが、移籍などの早急な対応が必要になる。

休会後、東日本協会に手続きを踏めば活動は再開できる。金平会長は「新たなスポンサーを探し、なるべく早く復活させたい」としたが、今後は不透明な状況となる。また同会長が務めている東日本協会副会長、日本プロボクシング協会理事は辞職になるという。国内ではガッツ石松ら5人の世界王者を輩出したヨネクラジムが17年に閉鎖となった。昭和の時代から日本のボクシング界を支えてきた名門ジムが、またも苦境に陥った。