同級4位福永亮次(33=角海老宝石)が逆転TKOで新王者になった。

同級王者フローイラン・サルダール(30=フィリピン)のV1戦でタイトル初挑戦。右目がふさがりながらも、7回にボディーでダウンを奪う。さらに連打を浴びせるとレフェリーがストップ。7回1分40秒TKOで王座を獲得した。

初回から長い右ストレートをもらい、なかなか攻め込めなかった。4回あたりから右目の周囲も腫れだした。このままではレフェリーストップもあり得る状況に、田部井トレーナーは6回にゴーサイン。福永も「距離が遠かったが、ボディーは効いていた。ガードを固めていくしかない」と一転攻勢で逆転勝ちした。

地元大阪でプロデビューし、上京して宮田ジムに移籍した。16年には全日本新人王も、18年に東洋太平洋シルバー王座挑戦に失敗し、ボクシングから離れた。「またやりたくなった」と昨年ジムを移籍し、2戦目でつかんだビッグチャンスをものにした。

15歳から型枠職人の仕事につき、試合前は3日ほど休むだけだった。「ボクシング人生を左右する試合」に向けて、今回は12日間と初の長期休暇をもらった。その期待にも応えて見せた。

サルダールは元世界王者の木村翔に挑戦経験もあり、WBO7位につけていた。福永は世界ランク入りも確実にしたが「レベルが低すぎ。もっともっと練習して上を目指したい」と話した。