暴力問題などで昨年10月に引退した、大相撲の元十両貴ノ富士のスダリオ剛(23)が、総合格闘技デビュー戦を白星で飾った。

全日本、ゼロワンで活躍してきたプロレスラーのディラン・ジェイムス(29=ニュージーランド)と120キロ契約3分3回で対戦。

スダリオは、ゴングから一気に距離を詰めると、積極的にパンチ、ローキックを放った。グラウンドに持ち込むと、膝蹴りをジェイムスの頭部に浴びせ、ペースをにぎった。同回終了時にドクターストップによるTKOで勝利をつかんだ。

スダリオはリング上で「MMAデビュー戦で緊張したが、練習でやってきたことが出せてよかった」とコメント。「つらいときを支えてくれた妻、悲しませたお母さん」などへの感謝を丁寧に述べた。

今後については「少しずつ、ヘビー級にスポットライトが戻るように、僕が頑張りますので、よろしくお願いします」とファンにアピールした。

スダリオは、父が日本人、母がフィリピン人の双子として生まれ、幼少期からサッカー、空手、バスケットボールなど、さまざまなスポーツを経験。13年に弟の貴源治とともに貴乃花部屋に入門すると、18年3月場所で十両昇進を決め、史上初の双子関取として注目を集めた。

抜群の運動神経が魅力で、将来を期待する角界関係者も多かったが、昨年9月に付け人への2度目の暴力行為が発覚し、引退。その後、総合格闘技への転向を発表し、元格闘家のエンセン井上のもとで約50キロ肉体を絞り、腕を磨いてきた。