メインの試合は、潮崎豪(38)谷口周平(44)組が杉浦貴(50)鈴木秀樹(40)組に勝利した。

6日の代々木大会でGHCヘビー級のベルトをかけて戦う潮崎と杉浦。ノア20周年を締めくくる戦いの前哨戦にふさわしい激闘となった。序盤は4人が交代しながら戦いを続けていたが、中盤以降は、谷口と鈴木は場外でやり合い、リング上は潮崎と杉浦の一騎打ちの状態が15分以上も続いた。互いに逃げず、技を受け止め合う力勝負に終止符を打ったのは王者潮崎だった。ショートレンジ式ラリアットでリングにたたきつけ、片エビ固めで3カウントを奪った。

22日の横浜武道館大会で5度目の防衛に成功後、リング上で杉浦から「20周年、お前がチャンピオンじゃもの足りねえ。俺も20周年なんだよ。アイアムノア。俺に勝ってから言えよ」と挑戦状をたたきつけられた。潮崎は「ずっと待ってたよ、杉浦貴。俺とあんたで盛り上げようぜ」と快諾。大一番に向け、2人の戦いは、すでに始まっていた。

潮崎はこの日も満身創痍(そうい)でリングに上がった。両腕にテーピングを施していため、当たり前のように右腕を攻められ、押さえながら戦った。「痛みに耐えてでも前に出る」。師匠である小橋の教え通り、ギブアップはせず、攻撃を続けた。終盤には右手で10回以上連続で逆水平チョップを浴びせるシーンも見られた。力を温存などと考えず、毎試合すべてを出し切るスタイルを変えなかった。腕の回復が心配されるが「常に絶好調に持っていく。これがGHCチャンピオン」。フラフラになりながらもはっきりと言い切った。

09年6月に先にタイトルを取ったのは12歳年下の潮崎だった。そして6カ月後、杉浦がそのベルトを奪ったのは12月6日。多くの激闘を繰り広げてきた2人が、ノア20周年最後のタイトルマッチで再び相まみえる。潮崎は「運命を感じる。でも、どんな状況でも勝つのはこの俺だ」と宣言した。勝って「アイアムノア」と高らかに叫ぶ。【松熊洋介】