あざ笑うかのように、勝利をかっさらった。IWGP・USヘビー級選手権試合で、挑戦者のKENTA(40)が2度目の防衛を目指す日本人初の王者棚橋弘至(44)を破り、初戴冠を果たした。
リズムを崩しにかかった。棚橋が観客に拍手を要求すると、違う拍をたたいてすかさず妨害。試合中にもかかわらず本部席においてあったベルトを強奪し、花道を引き揚げるそぶりを見せるなど、終始王者を翻弄(ほんろう)し続けた。
ベルトへの執念でも上回った。試合中盤には、机を下敷きにハイフライフローを真正面から受けた。真っ二つになった机の破片が突き刺さり、背中はばっくりと切れた。だが、ギブアップしなかった。23分44秒、三度目の正直となったgo 2 sleepを決め、3カウントを奪い取った。
リング内だけでなく、SNSでも自らの世界を作り上げてきた。10月30日の岩手大会後に自身のツイッターを更新し、「IWGP USのベルトを盗まれました」と発言。31日の福島大会の敗戦後は「チャンピオンとして本当に悔しいです。正直挑戦者の棚橋選手が盗みまでやってくるとは思ってませんでした」と、タイトルマッチ以前から王者のふるまいを示し続けた。
「自己暗示」で王者のイメージを広げ、ついに合法的にベルトをその腰にまいた。新王者はしたり顔でバックステージに登場すると「初めて新日のリングに立った19年、俺の実力を見せつけるって言っただろ。2年たってようやく有言実行だ!」と英語でコメント。「G1からここまで、楽しかったよ。少なからず俺、盛り上げてきたっていう自負があるから」と力を込めた。アメリカを拠点に活動するKENTAが、USの栄冠を手中に収めた。

