倒れた相手の胸板に右手をそっと添えるだけのフォールに、トップの余裕と自覚が漂っていた。

メインイベントで、IWGP世界ヘビー級王者オカダ・カズチカ(34)が同ジュニアタッグ王者のマスター・ワト(24)を下し、NJC3回戦へ進出を決めた。

圧倒的な勝利だった。2日の日本武道館大会でジュニア王者デスペラードを粉砕した勢いそのままに乗り込んだ後楽園ホール。「ヘビー級代表としてつぶしていきたいなと思います」との宣言通り、序盤から強烈なパワーをジュニアのスター候補へ誇示した。大粒の汗を流すワトに対し、涼しい顔のオカダ。ベンダバールなど、強敵を退けたこともある必死の攻撃も難なく跳ね返し、最後は18分34秒、開脚式ツームストンパイルドライバーからのレインメーカー(短距離式ラリアット)で沈めた。

王者はマイクでも余裕を見せた。10歳年下のジュニアタッグ王者に「まだまだだね」と指摘。あがくように食らいついた相手だが「何年後かにまた戦う機会があるかもしれないけど、その時はもっと楽しませてくれよ」と笑みを浮かべながら話した。

次戦は、不戦勝などもありここまで体力を温存しているタイチ戦に決まったが「負けないでしょう」と一言。「このベルトを持っている男に負けはふさわしくない。どんどん勝ち上がって優勝して、また皆さんのところに戻ってきます」と宣言した。新日本プロレス創立50周年を背負う男には、もはや一瞬のスキもない。【勝部晃多】