プロ通算46戦無敗でRISE世界フェザー級王者・那須川天心(23=TARGET/Cygames)が、世紀の一戦を制した。
K-1の3階級制覇王者で現スーパーフェザー級王者武尊(30=K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)と、58キロ契約の3分3回(延長1回)で対戦し、5-0の判定勝ちを収めた。14年7月にプロデビューし、キックボクシング42連勝。宣言通り、この試合を最後にボクシングに転向する。
那須川の一問一答は以下の通り。
-試合の感想
「もうなんか開放されました。全てが終わったという感じです」
-武尊の印象
「印象はそうですね、ずっと同じ。本当に気持ちの入ったファイター。マジで出会えてよかったと、感謝しかないです」
-東京ドーム
「めっちゃ気分良かったですね。格闘技、日本のエンタメの中でも一番盛り上げられたと思うので、格闘技も捨てたもんじゃないと日本中に伝えられたと思います」
-今後の展望
「1回休みたい。全てから開放された1カ月2カ月3カ月5カ月くらい休みたい」
-やりたいこと
「なんだろう、格闘技のこと1回も考えない日々を送りたい」
-ゴンドラの上から見た風景
「星みたいでした。逆夜空みたいな。いつも上を見ると星。空から見ていたような、俺が地球になったかなという感じでした」
-リードジャブがさえていた
「何パターンか用意していた。ジャブから組み立てられた。キーポイントだったので、そこから組み立てることができて、いつもより落ち着いて戦えた。相手のセコンドの声も聞こえて、ジャブを捨てろと言っていたので、あえて踏み込んで強く打っていきました」
-ダウンを奪った左
「会心の左でしたね。コンパクトに狙う。刀のように振り抜きました」
-バッティングを受けた
「集中力がやばいとなった。視界がぼやけて、ちょっと落ち着かないと(いけない)と思った。3ラウンドでは戻らなかった」
-展開
「相手が絶対に来るからそこに合わせていくというイメージでした」
-武尊の強さ
「一番はやっぱりプレッシャーっていうのをすごく感じました。やった選手の中で一番強かった。本当に正反対のスタイルのファイター。そこで勝ち切れたのは大きいですね」
-試合を支配した
「ダウンを取ったときに本当にゆっくりに見えた。力を入れなかった。それでよかったですね」
-キック最後の意識
「最後じゃなくて武尊選手と戦う意識しかなかった」
-終わってみて
「まだしばらくないかな。でも、終わりだもんね。悲しくなりますね」
-交わしあった言葉
「本当にありがとうという気持ち。そういう感じの気持ちです。そこは2人の男話ということで」
-武尊戦までの気持ち
「対戦が決まったときから、負けたらマジで死のうと思っていた。動画を取っていた。遺書の。次の日を迎えられることがよかった。ずっと人生最後の気持ちだった。死んでもいいと思っていたので生きられてよかった。本当にハッピーです」
-ファンの期待感
「不思議な感覚。歓声の時差を感じた。反響なのか俺がそっちの次元にいっているのか分からなかった」
-矢沢さんの曲
「おこがましいけど矢沢さんに近づけた」
-菅田将暉さんから花束をわたされた
「期待しているよ、と言ってくれた。すげえパワーを頂いた。さわやかでした」
-今後の格闘技界へメッセージ
「本当に今回こうやって日本のエンタメの中で一番大きいことができた。次の世代、子供たちが目指す存在にやっと慣れたと思うので。選手たちの思いは一緒。みんな最強を目指している。その気持ちを踏みにじってほしくないなと思っています」
-武尊との戦い方
「笑ったらこういうパンチが来るとか、そういう癖も見抜いていた。思ったより小さく見えた。そう思えたことがよかったかな。イメージの範囲内で勝てた」
-打ち勝てた理由
「チームを信じ切って戦えたこと。自分を信じ切れた。そこが勝因。父親だったりボクシングのトレーナーだったり、チーム天心は最強の仲間だった」
-ボクシングの詳細
「いったん休んでから考えようかなと思います。まだわからないです」
-父へ
「感謝の気持ちしかない。できすぎですよね。父の日ですし。こんなことってある? っていう。ロッタンに勝った日も父の日なんですよね」
-武尊の今後に期待すること
「言えないんですけど。これは内緒です」
-最後に
「武尊選手には感謝しかない。僕の前に立ちはだかってくれてありがとう。そして僕を成長させてくれたキックボクシング界。RISE、K-1、RIZIN。どの舞台も最高だと思う。またまじりあうことができたらうれしい。格闘技は人の心を動かす。最高の舞台でできたこと、ありがたいです」