WBC、WBO世界スーパーバンタム級王者井上尚弥(30=大橋)の幼なじみで元Jリーガーの山口聖矢(29=大橋)が衝撃の1回TKOデビューを飾った。

同じくデビュー戦だった加藤蓮(22=岐阜ヨコゼキ)とのライト級4回戦に臨み、強烈な右ストレートでダウンを奪い、1回2分43秒、レフェリーストップによるTKO勝ちを収めた。

リングサイドで見守った井上から「おめでとう」と声をかけられた山口はレフェリーに右手を挙げられ「興奮しましたね。サッカーは仲間と勝利を共有しますが、ボクシングは1人なので違う喜びです」と感慨深げだ。試合前、井上から「緊張するだろうから深呼吸して落ち着かせて」とのアドバイスを受けており、リングに上がると呼吸を大きくして息を整えたという。

右手首を痛め、8月上旬の精密検査で同部剥離骨折が判明していた。試合前までは右拳を使わず、左ジャブ、左フックの練習のみ。ぶっつけ本番の右だったという。「狙ってはいなかったですが。倒したパンチの感触は抜けたような『パン』というような感じでした。コンパクトにできたと思います」と自ら及第点を出した。

山口は尚弥と幼稚園の年少からの付き合い。長い間、井上、WBA世界バンタム級王者の井上の弟拓真(27)、兄弟のいとこ浩樹(31=ともに大橋)とロードワークや合宿などを一緒にやってきた間柄だ。18年いっぱいで2年間在籍したJ3相模原を退団。その後、2年間は実家が営む自動車整備会社に勤務していた。昨年1月、年始に井上と会った際にボクシング転向を勧められ、井上の父真吾トレーナーからボクシングを習いはじめた。

現在も井上家と同じ時間帯でジムワークするケースが多い。この日の試合トランクスは井上が予備用に残していたものを譲り受けていた。来月には30歳を迎える山口は「井上家と一緒に練習していて。負けられない。あとは来年、新人王に出るので、それが1つの結果だと思う。そこはこだわりたい」と気合十分。ライト級で新人王を目指すことを直近の目標に掲げていた。【藤中栄二】

 

◆山口聖矢(やまぐち・せいや)1993年(平5)9月2日、神奈川・座間市生まれ。サッカー時代のポジションはDF。FC厚木-山梨学院高-関東学院大を経て、16年に北信越リーグ1部サウルコス福井に加入。17年からJ3相模原に入団し、17年6月の藤枝MYFC戦でプロデビュー。J通算出場は1試合0得点。昨年11月にC級(4回戦)プロテストを受験し合格。身長173センチの右ボクサーファイター。血液型はA。