元日本、WBOアジア・パシフィック・スーパーライト級王者井上浩樹(31=大橋)が約3年ぶりにアジア王座返り咲きに成功した。

WBOアジア・パシフィック同級1位として、同級2位アブドゥラスル・イスモリロフ(26=ウズベキスタン)との同級王座決定戦に臨み、計3度のダウンを奪って10回2分11秒、TKO勝ちで新王者となった。19年12月に1度獲得した同王座を再び手にした。

アマトップを誇るウズベキスタン出身のイスモリロフと序盤から技術戦となった。左ストレートをヒットさせると、右フックの反撃を受けた。3回からサウスポーに代わった相手に対し、井上は冷静にボディー打ちや左アッパーなどで応戦。中盤以降には両者ともに足を止めて打ち合う展開となったが、井上は10回の勝機をものにした。右ボディーでダウンを奪うと、立ち上がってきたイスモリロフにラッシュをかけてダウンを追加。最後も連打で倒してみせた。

約3年ぶりにWBOアジア・パシフィック王座ベルトを巻いた井上は「めっちゃくちゃベルトが重いです。こんな僕が前に出て打ち合うところはみたことなかったと思う。ブレイクスルー(突破口を見出し前進)できたかな。(8回に打ち合い)本当にあきらめそうになったが、ここであきらめがら引退する前と同じだと思って死ぬ気で自分を変えようと思った」と大粒の汗をぬぐった。

リングサイドには、いとこ尚弥から激励の声が届いた。井上は「尚弥の声が届いて『あきらめるな』と。1番力になりました」と感謝した。いとこ井上尚弥(30=大橋)の後押しで、12年ロンドン・オリンピック(五輪)ボクシング男子ウエルター級代表の鈴木康弘氏が担当トレーナーに就任。引退前に相次いだ負傷も完治し、鈴木トレーナーによるハードな練習メニューをこなし、生まれ変わって現役復帰した。井上は「今日、ダメな部分が出て、代わりに良いところも出せた。ダメな部分を学習して次に挑もうと思います」と激闘を制した達成感ある表情を浮かべていた。

20年7月、プロ初黒星を喫した井上は日本同級王座陥落で引退を表明した。しかし尚弥らの激励などで昨年2月に現役復帰を決断。今年2月16日、パコーン・アイエムヨッド(タイ)戦で2回TKO勝ちし、現役復帰を白星で飾っていた。