ボクシングWBC、WBO世界スーパーバンタム級王者井上尚弥(30=大橋)が、世界最速の2階級4団体統一を狙う。12月26日に東京・有明アリーナでWBAスーパー、IBF世界同級王者マーロン・タパレス(31=フィリピン)との4団体王座統一戦に臨むことが25日、正式発表された。同日、横浜市で会見に出席した井上はテレンス・クロフォード(36=米国)に続く史上2人目、そして8年3カ月で達成したクロフォードを上回る、5年7カ月での2階級4団体統一をKO撃破で達成する自信を示した。

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4団体王座統一戦の正式発表に、井上は気持ちを高ぶらせた。7月にWBC、WBO世界同級王者となってから5カ月後。バンタム級に続く、2階級で4団体統一を達成する好機だ。井上は「バンタム級で4年7カ月かかったが、スーパーバンタム級では5カ月、23年にはクリアできそう。コロナで失われた時間をものすごいスピードで取り戻している」と率直な心境を明かした。

創刊100年で歴史と権威を誇る米老舗専門誌選定のパウンド・フォー・パウンド(PFP=階級を超越した最強ボクサー)1位のクロフォードに続き、史上2人目の2階級での4団体統一を狙う。PFP2位の井上は「世界における偉業だと。その先、日本人がたどり着けない位置までいきたいなと思うので、絶対に結果を出す」と意識を高めた。クロフォードは8年3カ月かけて達成。井上がタパレスに勝てばWBA世界バンタム級王座を獲得した18年5月を皮切りに5年7カ月と大幅に“偉業”を更新する最速記録。所属ジムの大橋秀行会長(58)は「モンスター伝説の新たなる始まり」と強調した。

タパレスに対し、細心の注意を払う。4月に無敗の統一王者アフマダリエフ(カザフスタン)を下すなど下馬評を覆す底力、ハングリーさも兼ね備える好戦的なサウスポーとなる。井上は「ゴリゴリのファイターだと思ったら、体の柔らかさ、ディフェンスの良さ、思った以上に技術がある。(7月に倒した統一王者)フルトンはうまさで勝っていたが、タパレスは強さ」と警戒。今回、タパレスの母国フィリピンではなく、メキシコから練習パートナーに指名したのも情報漏えいを防ぐ意図がある。

「2階級での4団体統一のかかる試合でも圧倒的な強さをみせたい。ファンにはKO決着をみせたい」

井上が「圧勝KO」で世界最速の2階級4団体統一を目指す。【藤中栄二】

 

◆ボクシングの2階級での4団体統一メモ テレンス・クロフォード(米国)がスーパーライト級、ウエルター級で史上初めて達成。クロフォードはスーパーライト級で15年4月の王座決定戦でWBO王座を獲得し、16年7月にWBC王座を追加。17年8月にWBA、IBF王者ジュリアス・インドンゴ(ナミビア)に3回KO勝ちし4団体統一に成功。ウエルター級では18年6月にWBO王座を獲得し、23年7月に3団体統一王者エロール・スペンスJr.(米国)を9回TKO撃破し4団体統一。2階級の4団体統一を成し遂げるまでに8年3カ月かかった。

◆井上の最速メモ 13年に日本ライトフライ級王者田口良一を下し、当時国内最速タイ4戦目で日本王座獲得。同年にはマンシオ(フィリピン)を倒し、当時国内男子最速タイ5戦目で東洋太平洋王座を奪取。14年にWBC世界同級王者エルナンデス(メキシコ)を倒し当時国内男子最速6戦目で世界王座を獲得。同年はWBO世界スーパーフライ級王者ナルバエス(アルゼンチン)も倒し当時世界最速8戦目の2階級制覇。18年はWBA世界バンタム級王者マクドネル(英国)を下し、当時日本最速16戦目で3階級制覇。同年のパヤノ(ドミニカ共和国)戦では70秒KO勝ちで、日本男子世界戦最速KO記録をマーク。