アマ13冠ボクサーで東洋太平洋フェザー級王者の堤駿斗(24=志成)が仕切り直しの世界ランカー対決に臨む。31日、東京・大田区総合体育館で、WBA世界同級15位ルイス・モンシオン・ベンチャーラ(25=ドミニカ共和国)との同級10回戦に臨む。WBC世界同級12位に入る堤にとって初めての世界ランカーとの対戦になる。10月に自らのインフルエンザ感染で延期されていたカード。なおメインはWBA世界スーパーフライ級王者井岡一翔(34=志成)の初防衛戦となり、ABEMAで全試合無料中継される。
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アマ時代は日本男子初の世界ユース選手優勝、井上尚弥以来、6年ぶりとなる高校生での全日本選手権制覇などアマ13冠を誇った。コロナ禍で東京五輪出場枠を狙えた世界選手権予選が中止され、同五輪出場はならなかったが、プロ転向後は日本男子最速のプロ3戦目での東洋太平洋フェザー級王座獲得に成功。堤は常に「新怪物」として注目されている。
「自分は期待に応える重圧に楽しみを見いだしている。期待していただいているうちが花なので。そこを感じながら、重圧を乗り越えてこその一流なので、やりがい、楽しみを感じている」
昨年4月のプロ転向会見では「24年パリ五輪前には世界王者に」とも意欲を示していた。堤は「もう来夏ですもんね」と苦笑しながら、自身の描く世界へのロードマップを明かした。
「自分としては大体、予定通りではある。次の試合は自分の病気で10月が12月にずれましたが、今は自分も世界ランク10位近くに入っている。ここまでは予定通り。ここからが本番というか。なかなか簡単にポンポンと行ける階級ではない。ここからが1番大事」
世界挑戦を見据え、24年は世界ランキングを上げることが目標の1つになる。堤が言うようにフェザー級は選手層が厚く、簡単には世界挑戦も実現できない。
「まず世界を見据える中で1つ『やれるぞ』という試合をしないといけない。24年は、それにふさわしい対戦相手と試合内容をみせたい。世界を取るために大事な1年になると思う。昨年、今年と2試合だったので、ぜひ来年は3試合はやりたい」
今年7月に清水聡(大橋)がWBO世界同級王座に挑戦し、来年3月には阿部麗也(KG大和)がIBF世界同級王座に挑戦する。日本勢が世界フェザー級戦線に挑むカードが増えていることは間違いない。
「日本選手が世界王座に絡んでくることもうれしいし、日本でも世界フェザー級が盛り上がってくれれば。やりがいも感じる。ただ自分は焦らずにじっくりいきたい。世界王者になるだけが目標ではない。王者になったら防衛していきたい。(今月10日にWBO世界同級王座から陥落した)ロベイシ(・ラミレス)をみても防衛することも大変なんだなと。上位ランカーになったとしても世界王座を何回も防衛できる実力をつけたい」
22年7月のプロデビューから3連勝中ながら、すべて判定決着だった。「新怪物」として初陣から東洋太平洋ランカーと対戦。2戦目は前東洋太平洋王者、3戦目は元世界ランカーと日本男子最速の記録を懸けた東洋太平洋王座決定戦だった。実績十分の対戦相手ト拳を交えてきたが「みせる」こともプロのテーマとして掲げているだけにKOへのこだわりは強い。
「プロ転向時にも『みせる』と言いました。自分の中ではKOがないのはモヤモヤしているし、気にしている。見ているお客さんが見たいものをみせるのがプロの仕事。それはずっと思っている。見ているお客さんが楽しめるような試合にするには、自分から仕掛けるようなところをたくさんつくらないと。できれば次、1戦でも早くプロ初KOをお見せしたい」
今夏、取り組んだ米ラスベガス合宿でつかんだ感覚がある。
「前回、ラスベガスで学んだことがすごく大きく、1つ題材として練習してきた。(速さの)ギアチェンジだったり、テンポのチェンジ、あとは倒し方やタイミング。より高いレベルの選手と実戦してつかんできた部分もある。自分から仕掛け、自分からテンポを上げて相手の自由を奪っていく。今までの自分のボクシングになかったものを取り入れている。行くところをいけないとKOチャンスはなかなか生まれない。今まで長いラウンドを考えて配分、ペースを考えていたが、相手が弱気になっている時、ガンガンといかないといけない。後先考えずに仕留めきるぐらいの、練習をしてきた」
大みそかの対戦相手ベンチャーラは11勝(9KO)無敗の世界ランカー。長いリーチで強打を狙うタイプとなり、簡単にはKOできない相手となる。前回は自身のインフルエンザ感染で延期となりながら、今回も対戦を受けてくれたベンチャーラに感謝している。
「相手もすぐにやりたいと言ってくれたみたいなので。前回は計量に行っていないので、今回が初対面になる。第一声は謝罪しないといけない。短い間に2回も日本に来てくれたので。ただ、こんなところで負けていたら話にならない。そう自分にプレッシャーはかけている」
「新怪物」堤が2度目の大みそか参戦で、進化した勇姿&プロ初KOを披露しようと準備を整えている。【藤中栄二】
◆堤駿斗(つつみ・はやと)1999年(平11)7月12日、千葉市出身。小学5年で空手からボクシングに転向。キックボクシングも並行して習い、ジムでは格闘家・那須川天心と一緒に練習。中学2年からボクシング一本に。U-15、アンダージュニアなどで全国制覇。習志野高時代はフライ級、バンタム級で高校6冠を達成。全日本選手権も制覇するなどアマ13冠。22年7月にプロデビューし3連勝。今年5月、日本男子最速となるプロ3戦目で東洋太平洋王座(フェザー級)を獲得。家族は両親と兄、弟。身長171センチの右ボクサーファイター。

