東前頭12枚目の勢(28=伊勢ノ海)が、同6枚目の安美錦(36=伊勢ケ浜)を小手投げで破り、勝ち越しを決めた。
立ち合いで動いてきた相手にも動じず、落ち着いてさばいての8勝目に「よく見えていたので。相手を見ながら取ろうと思った。よく反応できた」とひと息ついた。
東前頭3枚目だった先場所は、2勝13敗と大敗。場所後に、春先から痛めていた左肩にたまっていた水と血の塊を抜く処置を受けた。太い注射針で深さ10センチのところにたまった水と血を「コップ半分ほど」抜いたという。要した時間は約2時間。それによって、神経の圧迫がなくなり痛みが解消。さらに、基礎稽古も熱心に取り組んだ。通常200~300回の四股を増やし、体を作り直した。
「負けて何でやろ、じゃなくて、弱いところを教えてもらったというようにしてるんです。負けもムダじゃない。弱い部分を相手に教えてもらってる。負けても、自分はありがとうございますという、前向きに考えている」。そんな超プラス思考も、勢の長所だ。
稀勢の里が敗れたため、日本出身力士の1敗はただ1人。場所を盛り上げるため、最後まで全力を尽くす。

