小結嘉風(33=尾車)は半年ぶりの連敗となった。
立ち合いで横綱白鵬(30=宮城野)に張られると、そのままの勢いでバッタリと手をついた。観客の「あ~」というため息が聞こえる。それが「『何やってんだ、嘉風』という風に聞こえた。何が悔しいかというと、相撲にならなかった自分に悔しい。何やってんだ、オレ」と悔やんだ。
秋場所2日目で、初めて倒した相手。その先場所と、横綱の表情には違いを感じていた。「気迫みたいのが違った。いつもはゆったりとしているのに、今日はちょっと気合が入っているように感じた。だから余計にワクワクした」。気分は最高潮。遊園地に向かう子どものような心境だった。それだけにわずか0秒7の決着は、自分自身に情けない思いを感じたようだ。「今日は、遊園地で楽しみにしていたアトラクションが、意外につまらなかった気分。あぁ~、もう1回やりてぇ~」と嘆いた。
張ってから右に動いたようにも見えた横綱について「かばうわけじゃないが、あれは変化じゃないと思う。あの立ち合いは、稽古で結構やってきていました」と説明した嘉風。「重心を低くして、強く当たっていかないとダメだと思っていったんですが。タイミングよく、力を逃がされた。ああいう立ち合いで来ることを予想していなかった。メチャクチャ、ワクワクしていたんだけどなぁ」と、苦笑いの連発だった。

