大横綱の弟子たちが決意を新たにした。大相撲の夏巡業が7月31日、滋賀・草津市で行われた。元横綱千代の富士の先代九重親方(享年61)が亡くなって、ちょうど1年。厳しくも温かい指導を受けた九重親方(元大関千代大海)や平幕千代の国らが故人をしのびつつ、今後への思いを強くした。
先代の九重親方が亡くなって1年がたった。関取衆の稽古が始まる午前8時すぎ。巡業会場の草津市立総合体育館の外では、巡業に参加している関取4人ら九重部屋の関係者が黙とうした。巡業不参加の力士や部屋OBらは都内でお墓参りをしたという。それぞれが思いを胸に手を合わせた。
昨年の秋場所から部屋を継いだ九重親方は「再び横綱、大関を出す」と、決意新たに言った。「俺は一番先代の身近にいた。俺の体には先代の教えしか染みついていない。8割は師匠の指導のもと、アレンジを加えながらやっていきたい。足元には及ばないかもしれないけど」と謙遜しつつ、はっきりと「横綱、大関」を育てる決意を示した。
先代の指導のたまもので、九重部屋の関取は伊勢ケ浜部屋、追手風部屋と並んで最多の6人を数える。平幕の千代の国は「『コツコツやることが大事なんだよ。毎日続けることが大事』とよく言われた」と教えを胸に刻み、至る所にケガを抱えながらテーピングを施して土俵に上がり続ける。黙とうで気が引き締まったといい、「みんなが自分なりに前を向いて進んでいかないといけない。自分たちの九重部屋なので」と責任感を強調した。
平幕の千代翔馬は「さみしい1年でした」としんみり。支えになったのは先代の言葉だった。「相撲で『気持ちを入れて飛んでいけ』と言われていた。それがちょっとずつ出せているかな。もっと上を目指して恩返ししたい」と誓いを立てた。先代の魂を引き継いだ部屋の新たな挑戦が始まる。【佐々木隆史】

