横綱審議委員会(横審)の定例会が24日、都内のホテルで開かれた。前日23日まで行われた大相撲秋場所に進退を懸けて出場し、9場所ぶりに皆勤して10勝5敗だった横綱稀勢の里(32=田子ノ浦)については、合格点が与えられた。

会見した北村正任委員長は「心配して見ていた委員全員がホッとしたということ。これだけ勝って、来場所以降に向けて復活の足場ができた。今の段階でやめた方がいいという意見はまったくない」と語った。

一方で10勝したものの、相撲内容については「もろい」「弱いなという場面もいくつかあった」と、厳しい見方も示した。11月の九州場所に向けて「来場所、また前半戦で負けが込んで休場ということになれば、やっぱり考えなければいけない」と、進退問題が完全に消滅したわけではない状態であることも明かした。

また、全勝優勝の横綱白鵬について、北村委員長は「ある委員は『頭2つ抜けている強さ』と言っていた。ケガをしていたけど、きちっと管理して、条件を整えて出てくる能力はすごいなと、みんな感心していた」と語った。