大相撲の十両貴源治(22=千賀ノ浦)が、インフルエンザに感染しながら冬巡業の取組を行っていたことが判明し、日本相撲協会は「間違いだった」と、対応の誤りを認めた。協会は23日、都内で理事会を実施。今月11日に佐賀市で行われた巡業で、貴源治が同日午前、同市内の病院でインフルエンザと診断されたと報告したにもかかわらず、午後に取組を行ったと報告された。芝田山広報部長(元横綱大乃国)は「相撲を取らせたのは間違いだった。対策を取れなかったことは落ち度がある」と話した。

理事会では、今回同様、協会員がインフルエンザに感染したことが判明した場合、即座に隔離するなど、感染の拡大を防ぐことを徹底すると決めた。芝田山部長によれば、この取り決めが決議されたことを、八角理事長(元横綱北勝海)が貴源治の師匠千賀ノ浦親方(元小結隆三杉)に報告、謝罪したという。芝田山部長は「(貴源治が)病院から帰ってきたのは相撲を取る直前だった。なかなか対策が取れなかったようだ」と説明。当時はすでに30人以上の巡業参加者がインフルエンザに感染、途中離脱していた。その混乱も判断ミスを招いたと説明。貴源治が取組を行ったのは春日野巡業部長(元関脇栃乃和歌)の判断だったという。

一方で11日の巡業参加者の一部からは「貴源治が感染したという話は、早い段階でみんな知っていた」という声も出ている。十両の大部分は、もともと11日の佐賀市を最後に帰京予定だった。インフルエンザへの認識の甘さから、特別な対応を先送りしていたとすれば、大きな過失といえる。