来日から18年荒鷲が引退決断「日本来てよかった」

  • 引退会見に臨む荒鷲(撮影・小沢裕)

モンゴル出身で元前頭の荒鷲(33=峰崎)が大相撲初場所13日目の24日、東京・両国国技館で引退会見を行った。

「場所前から(引退が)頭に浮かんでいて、場所中に親方に相談した。上を目指す気持ちと肉体的状態ではなかった」と引退を決断した理由を説明。18年10月に、断裂した左膝前十字靱帯(じんたい)の手術をしたが回復せず。幕下に陥落した昨年秋場所は途中休場し、同年九州場所から全休中だった。「もう1度と思ってやってきたけど」と奮起を狙ったがかなわなかった。

02年九州場所が初土俵で、新十両昇進は9年後の11年名古屋場所。14年夏場所で新入幕を果たしたが、幕内に定着できずに十両と幕内を行ったり来たり。そして17年初場所で、横綱鶴竜から自身初の金星を獲得。当時30歳4カ月23日での初金星獲得は、58年以降初土俵で7位の年長記録と遅咲きの苦労人だった。

思い出の一番を問われると金星を挙げた一番ではなく「初めて勝ち越した時。玉飛鳥さんとした一番」と14年初場所で十両として初めて勝ち越した時の一番を挙げた。「花道に引き揚げて裏で泣き崩れた記憶があります」と懐かしそうに振り返った。

同席した師匠の峰崎親方(元前頭三杉磯)は「彼はおとなしくて優しい。何とか気持ちを『このやろう』とさせたかった。非常に厳しくしました」と話した。四股は下手だったというが「もう少し基本をやればまだできるかなと。そこが悔いありますね」と徹底して教えきれなかったことを悔やんだ。

今後の予定については「ゆっくり考えたいです」と未定。花束を贈呈した同期で元大関琴欧洲の鳴戸親方は「いよいようちの同期がみんなやめちゃった」と寂しそうだった。15歳でモンゴルから来日して約18年。「ただただ感謝の気持ちです。日本に来てよかった。相撲界に入って育ててくれて感謝です」と感慨にふけった。苦労人の断髪式は5月31日に、東京・両国国技館で行われる予定。