大相撲秋場所を全休した横綱鶴竜(35=陸奥)が18日、復活に向けて都内の部屋ですり足などの基礎運動を入念に行った。休場の要因となった腰の状態については「常に疲れがたまっていた。なるべくいつもケアはしているけど痛くなる」と説明。東京・両国国技館で行われている合同稽古には横綱白鵬や貴景勝、正代の両大関が参加している。以前から出稽古の解禁を希望していたが「(時期的に)もうちょっと後だと思っていたけど、思ったより早かったから行けなかった」と部屋での調整を選択した。

秋場所後の横綱審議委員会(横審)では、白鵬とともに休場の多さを指摘された。厳しい意見が出ていることについて「自分で分かっているから。こういう時だけど、大目に見てくれないので」と心境を吐露。11月場所(8日初日、両国国技館)に向けて師匠の陸奥親方(元大関霧島)も「進退懸けてやらなきゃいけない」と危機感を募らせる中、鶴竜は「しっかりやらないといけないし、焦ってもいけない」と強調した。

秋場所中の9月16日は先代井筒親方(元関脇逆鉾)の命日だった。先代師匠への思いは「自分が死ぬまで忘れない」と鶴竜。秋場所前には墓参りをしたが、土俵で結果を残せない場所が続いているだけに「かみ合わないし、うまくいかない」と、もどかしさを感じている。天国で見守る先代師匠のためにも、11月場所で結果を残すべく調整を進める。