大関とりの関脇豊昇龍(24=立浪)が終盤戦へギアを上げた。
闘志むき出しの相撲で同じモンゴル出身の玉鷲(片男波)を押し出し、9勝2敗とした。大関昇進祝いの予定だった真新しい化粧まわしを着けて幕内土俵入りを行い、気持ちを高めた。昇進目安の三役で3場所33勝には、残り4日間で3勝。同じく大関とりの関脇大栄翔が敗れて3敗に後退し、優勝争いでも1敗の平幕錦木を1差で追う。
気持ちが入っていた。豊昇龍は鋭い眼光で玉鷲をにらんだ。玉鷲の強烈な突き押しをしのぎ、右をのぞかせながら攻め返すと、もろ手で力強く押し出した。「しっかり相手を見ながらいけた。良いと思います」と納得の表情。前日には琴ノ若に完敗して2敗目を喫したが、「気にしてません」と引きずらなかった。
気迫の相撲には、篤志家の力があった。美容整形外科「高須クリニック」の高須克弥院長から贈られた化粧まわしを、今場所初めて着けて幕内土俵入りに臨んだ。高須氏は「本当は大関昇進祝いに化粧まわしを贈ろうと思って作ったんだけど、早くほしいというので」と経緯を説明。「蒼き狼」と称されるチンギスハンに扮(ふん)した高須氏が青色のオオカミに乗っている。デザインはパートナーで漫画家の西原理恵子さんが担当した。
豊昇龍も個性豊かな化粧まわしで気持ちが高まった。「(高須氏のパワーも)いただけました」と白星につながったとし、千秋楽まで引き続き締めることを明かした。
場所前の取材で高須氏は、肉好きの豊昇龍のために大関昇進を果たせば和牛1頭を贈ることを宣言していた。この日、多忙な合間を縫って高級和牛「飛騨牛」一頭を買い付けるため、名古屋市内から岐阜・高山市まで片道3時間、車を走らせたという。「相撲に対する真面目な姿勢は、おじさんの朝青龍にそっくり」と同氏。豊昇龍にほれ込み、来るべき時に備えて着々と準備を急ぐ。
大関昇進目安の直近3場所33勝まで、残り4日間で3勝。豊昇龍は「1日一番の相撲のことしか考えていない」。12日目は同じ2敗の北勝富士と対戦する。高須氏の思いに応えるためにも、負けられない戦いが続く。【平山連】

