序ノ口は西7枚目の千代天富(24=九重)が7戦全勝で優勝を飾った。序ノ口ではただ1人全勝で、序二段98枚目の17歳、朝桜井(高砂)と対戦。立ち合いから圧倒して、最後は突き倒した。
支度部屋前では記者クラブ担当の宮城野親方(元横綱白鵬)が経歴確認のため出迎えた。「おめでとう」と求められた握手に大感激。「白鵬関ですよ。横綱ッスよ。うれしいじゃないですか」と表情を崩した。
右膝の大けがから復活を遂げた。東三段目6枚目の昨年名古屋場所中、稽古場で負傷した。前十字靱帯(じんたい)の再建手術をへて、先場所は1番だけ相撲をとったが、今場所が実質的な復帰場所だった。「優勝できるとは思わなかったし、自信もなかった。一番一番頑張った結果だと思う」とかみしめた。
大けがでも心が折れることはなく、周囲に支えられたという。「部屋の方々からいろいろアドバイスをいただいた。自分より大きなけがをされた方もいる。自分だけそんな(心が折れるように)なってはいけないと思った。ありがたい。環境に恵まれていると思います」。
今も膝は完全には伸ばせない状態で、再発の不安とも闘う。それでも、この先への手ごたえはつかめた。目標はけがする前に目前としていた「幕下に上がりたい」。序ノ口優勝は大きな励みとなる。「1個1個(番付を)上がっていきます」と希望に満ちた目を輝かせた。【実藤健一】

