関脇熱海富士(23=伊勢ケ浜)が、あと1歩で初優勝を逃した。本割で安青錦を破り、優勝決定ともえ戦に進出。霧島に勝ったが、安青錦に雪辱を許した。悲願は逃したが、審判部の浅香山部長(元大関魁皇)は秋場所が熱海富士にとっての大関とりになるとの見解を示した。
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静岡県出身力士としての初優勝は目前だった。熱海富士は本割で安青錦に勝ち、決定戦に持ち込んだ。霧島も含めたともえ戦は、初戦に勝った。王手をかけた。しかし、安青錦に敗れた。熱海富士にとっての3度目の優勝決定戦は、またも敗退。悲願は持ち越した。
汗だくで東の花道を引き揚げると、伊勢ケ浜親方(元横綱照ノ富士)から早速助言を受けた。支度部屋では取材を断った。
関脇2場所目の23歳は、今が伸び盛り。幕内で2番目に重い197キロの巨体は、上位陣の脅威になった。先代師匠の宮城野親方(元横綱旭富士)は「体は大きくなった。前に出る圧力が増している。稽古しながら大きくなっているのがいい」と評価する。ただ、理想の相撲は未完成。「熱海富士の相撲は右を差して、かいなを返して出ていく相撲。やれるときはやるけど、なかなかできない」とも指摘していた。
新関脇の先場所は9勝、今場所は12勝。浅香山審判部長は、来場所が大関とりになるとの見解を示した。昇進の目安は三役で直近3場所33勝。起点となる場所が9勝になることには「自分の時もそうだった。オレは8勝、14勝、11勝でしょ」とし「(昇進は)ないとは言えない。十分、そういう場所になるんじゃないかと思います。それ以上の結果を残していけばいい」と期待した。
今や、立ち合いで前に出る圧力は、時に横綱大の里さえしのぐ。大関昇進も初優勝も、夢ではなくなっている。【佐々木一郎】
∇八角理事長(元横綱北勝海)「安青錦はたいしたものだ。足を痛めて、満身創痍(そうい)でやっていたんだから。気持ちしかないだろう。熱海富士は前に出る圧力が出てきた。大の里は稽古で鍛えてほしい。覚悟がなかったら復活できない」

