大相撲名古屋場所で3場所ぶり3度目の優勝を果たした関脇安青錦(22=安治川)が千秋楽から一夜明けた27日、宿舎の愛知学院大キャンパスで会見に臨み、名古屋場所を振り返った。
1場所での大関復帰と優勝を果たし、「しっかり千秋楽を終えて、こうやって記者会見できることは、すごくうれしく思います。やり切ったという感じがすごいです」と実感を口にした。
大関復帰に必要な10勝という数字より、目の前にあったのはけがへの不安だった。「本当に10勝を目指すというよりは、一日一日、不安に勝ちながらやってきたので。数字にこだわらなかったなという感じがします」。
場所中に左足を痛めた時は「ショックでしたね。治す時間もほぼない状態だったので」。足を見た時には「ちょっと厳しいかもしれないな」とも思っていた。
それでも、休場の選択は「考えなかったです」。師匠と話しても、休む雰囲気はなかったという。「自分のことを信じて、師匠が言ってることをちゃんと聞いて、諦めずにやってきて、そのおかげで、今日があるんだなって感じですね」と振り返った。
相撲も変えなかった。けがの状態を考えれば、立ち合いで動く選択肢もあった。「正直いろいろな考えもありましたけど、自分らしくないなあって」。
白星になるかもしれない。ただ、それでは「次にはつながらない」と考えた。「やれることを悔いがないようにしっかりやっていこうってのが一番のテーマ」。勝っても負けても次につながるよう、まっすぐ当たる自分らしさを貫いた。
本割で敗れて決定戦に回ったが、そこで揺れなかった。「決定戦になったら自分が有利かなって気持ちがあった」。過去2度の優勝も決定戦を制してつかんだもの。経験は、最後の土俵で余裕にもなった。
関脇に陥落、けがとの闘い。これまでになかった苦しさを、最後は賜杯(しはい)に変えた。「番付が落ちることもなかったので。でも、すごくそういう経験をしてよかったなと思えます。精神的にもちょっと強くなったなとは感じますので。苦しかったですけど、ありがたいきっかけだったかなと思います」。
苦しさの中で、自分の相撲を崩さなかった15日間だった。

