1950年代にハリウッドで活躍したオスカー女優、グロリア・グレアムと英国の若手舞台俳優の約30歳の年の差を超えたラブストーリー。実生活でグロリアは4度の離婚歴があり、4人の子供がいる。4人目の結婚相手は2番目の夫の先妻との間の子だった。自由奔放な女優の「最後の恋」は切なくて、奥深い。

グロリアと恋に落ちた英国俳優ピーター・ターナーが1987年に発表した回顧録が原作。1981年9月29日、ピーターの元に衝撃の知らせが飛び込むシーンから始まる。かつての恋人グロリアが英国のランカスターのホテルで倒れた。「リヴァプールに行きたい」と懇願するグロリア。ピーターはリヴァプールの実家で療養させることにしたが、グロリアは決して病状を明かそうとしない。

なぜ、リヴァプールにこだわったのか。2人が知り合い、恋に落ちた日々…。現在と過去を行ったり来たりする手法はやや戸惑う部分があるが、男性と女性の視点を交互に交ぜる構成はうならせる。グロリアを演じる実力派女優アネット・ベニングのほほ笑みが、じわじわと心に染みる。人生の最後、こんな愛の形があってもいい。【松浦隆司】

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