米人気歌手ジャスティン・ビーバー(23)が、素行不良を理由に中国での公演を禁止されていることがわかった。

 ニューヨーク・ポスト紙など複数のメディアによると、ある中国のファンが、ビーバーが北京で公演を行わないことについて、北京の文化庁に苦情を寄せたという。

 文化庁はこれを受け、同庁のサイト上で声明を発表し、「ジャスティン・ビーバーは才能ある歌手だが、問題のある若い外国の歌手でもある。中国の市場の秩序を保ち、中国の演奏環境を清浄にするため、素行の悪いエンターテイナーを国内に呼ぶことは適当ではない」とコメントしたという。

 同庁では特に例を挙げていないものの、ビーバーの行動が過去に中国で物議を醸したことがある。2013年に公演で中国を訪れた際、ボディーガードたちの肩に担がれながら万里の長城を登るなど、ふざけた振る舞いでひんしゅくを買った上、翌年には、東京の靖国神社を参拝した時の写真をインスタグラムに投稿し、激怒した人々から批判のコメントが殺到した。

 米国内でも酒酔い運転による逮捕、近所の家に対する破壊行為で起訴されるなど、トラブル続きのビーバーだが、文化庁は、「海外や中国での彼の一連の不作法が、世間の怒りを買った」としているという。

 ビーバーの公式サイトでは現時点で、9月にシンガポール、フィリピン、インドネシア、香港、東京での公演が予定されているが、北京はリストに挙がっていない。なお、中国ではレディー・ガガとセレーナ・ゴメスも公演を禁じられているが、チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマと会ったことが原因とされている。(ニューヨーク=鹿目直子)