俳優池松壮亮(30)がオール韓国ロケの映画「アジアの天使」(石井裕也監督、来年公開)に主演することが8日、分かった。日本映画だが、95%のスタッフ、キャストが韓国チーム、韓国先行公開という新しい形のアジア映画だ。池松と石井監督はともに、韓国で仕事を行うのは初めて。

池松とオダギリジョー(44)が演じる兄弟、注目の若手女優チェ・ヒソ(33)演じるヒロイン。2つの家族が出会い、新しい家族の形を模索する人間ドラマ。今年2月から3月にかけてソウルなどで撮影された。コロナ禍が本格的に迫る直前、無事に撮了した。

池松は、脚本を読んだ時のことを「震えました」と振り返り、「この映画で出会い、受け入れてくれたチェ・ヒソさんをはじめとするすばらしい韓国キャストの方々、愛情深い韓国スタッフの方々には感謝してもしきれません。この映画の天使がきっと、良き時代の到来を告げてくれる」と、両国が融合して作った作品の意義を語った。

「とびきり自由でまったく新しい映画」と言う石井監督は「池松君とオダギリさんの芝居は抜群におもしろく、韓国人俳優たちは強烈でパワフルで純粋。別種のすごみが見られる」と自信を見せている。

共演者も満足して撮影を終えた。オダギリは「いろんな危機を乗り越え、僕らは国を超えて大きな家族になれた気がしました」と話し、チェも「映画という共通言語を信じてみよう、という一心だった」と話している。