「いい夫婦の日」の22日、声優の古川登志夫(74)柿沼紫乃(55)夫妻が、都内で映画「声優夫婦の甘くない生活」(12月18日公開)のトークイベントに出席した。

長年連れ添ってきた声優夫婦の姿を描いたイスラエルの映画。アニメ「うる星やつら」の諸星あたる役などで知られる古川は「夫婦の機微を描いた作品。今年、たくさんの映画を見たけど、一番良質な作品」。

アニメ「美少女戦士セーラームーン」の大阪なる役などで知られる柿沼は「ちょうど2年半ほど前に、イスラエルのアニメのイベントに招かれたことがある。エルサレムストーンの色で統一されて懐かしい。この作品はドラマチックなセリフは必要ないんじゃないかと思わせてくれた」と話した。

声優について、古川は「映画の中で友達に声優の仕事を頼みに行くシーンがあった。今の日本の声優事情は違うけど、昔は頼んで歩いたことを思い出して身につまされた。今は日本のサブカルコンテンツのコンベンションが海外でしょっちゅう行われている。僕らも過去9年間に21回くらい海外に呼ばれていった。そうすると『日本の声優事情は天国だね』と言われる。日本はエージェントがあるけど、海外は声優の地位が低い。私たちは青二プロダクションというところに所属していて、400人くらいいるけど、大変システマチックに仕事を取ってきてくれる」と話した。

お互いの声で好きな役について、柿沼は「声優には2タイプあって、全く声を変えない人と、彼のように千変万化の人がいる。彼の『007』のロバート・カーライルが一番好き。ヨイショ(笑い)」。古川は「僕の中で一番低い声。楽しくやらせていただきました。テロップ見るまで分からなかったと、業界仲間からも言われた」と振り返った。

古川は、柿沼の声について「うちの劇団に入ってきた時に鼻にかかった面白い声だな。これは商売になるなと思った。どういう役に化けても、絶対分かります」と自信を見せた。柿沼は、古川の声について「演技だったら分からないかも。それは演技の幅が広いという褒め言葉と受け取ってもらえないでしょうか」と笑った。

そして、柿沼は「この作品(『声優夫婦の甘くない生活』)の吹き替えを、ぜひ2人でやってみたい。うまい俳優さんがやっていると乗り越えてみたくなる」と話した。