吉本新喜劇の元座長で、大阪市議会議長を務めた船場太郎(本名・松原昌平)さんが27日、大阪市内の自宅で亡くなった。81歳。新喜劇の後輩、内場勝則(60)は同日夜、個性派ぞろいだった往年の新喜劇を「動物園」にたとえ、笑いのとり方などを教わったとしのんだ。

船場さんは、故花紀京さん、岡八郎さんらと、新喜劇の黄金期を支えた。その花紀さんに師事していた時期もある内場は「新旧吉本新喜劇(を)両方知っている座長経験者は私ぐらいになって来ました。入ったばかりの頃に船場太郎兄さんにもとてもお世話になりました」と振り返った。

個性的な芸人が集ったその時代、内場は「新喜劇という動物園のような強者たちの中で、二枚目で浪花のアランドロンと言われた端正な顔立ちの方の笑いの取り方など、たくさんのヒントをいただきました」と感謝した。

船場さんは新喜劇では二枚目路線。新喜劇において、二枚目は、ともすれば“没個性”にもつながる。その中で、芸風を確立した船場さんをヒントに、端正な顔立ちの内場も「私もそんなに特徴がないので」と言い、芸道を学んできた。

「新喜劇の歴史を築かれた方がまた一人亡くなられました。この時期と言うのがまた寂しいです。ご冥福をお祈りします。ほんとにほんとにありがとうございました」としのんだ。