役所広司(65)が21日、東京・スペースFS汐留で行われた主演映画「すばらしき世界」(2月11日公開)のプレミア上映会で、西川美和監督(46)を「初めてお会いした時、写真より美人だと思った」と評した。

その上で「結構、僕の裸のシーンが多かったもので、監督の前で身も心も裸にされた。緊張した」と笑みを浮かべた。

「すばらしき世界」は、直木賞作家・佐木隆三氏の90年のノンフィクション小説「身分帳」を原案に、西川監督が長編映画としては初の原作ものに挑んだ映画。同監督は佐木氏の著書を愛読しており、15年に同氏が亡くなった訃報をきっかけに同書を知り、ほれ込んだ。そして小説に書かれたことの背景を3年かけて取材、リサーチし、小説の時代設定を現代に置き換え、4年かけて脚本を完成させ、構想から5年超で映画化にこぎ着けた。

役所は劇中で、刑期を終え、出所した元殺人犯の三上正夫を演じた。実は西川監督自身、役所は長年、憧れの俳優だったといい、役所の思わぬ“裸発言”に顔を真っ赤にして照れていた。

シカゴ映画祭で観客賞、役所が最優秀演技賞を受賞し、トロフィーと盾が壇上でお披露目された。役所は、作品に関わった全員の賞であることを強調し「(トロフィーを)切り刻みたいくらい」と笑みを浮かべた。そして、西川組について「脚本を読む前から、ぜひ参加したいと思った。地味と言えば地味…こういう企画が通ったのは監督の実績のたまもの」と西川監督を絶賛した。