伊藤健太郎(24)が3日、東京・新宿ピカデリーで行われた2年ぶりの出演&主演映画「冬薔薇」(阪本順治監督)初日舞台あいさつで、阪本順治監督(63)にバラの花束を贈り、感謝の手紙を読んだ。その中で「次は、ボクシング映画で、ご一緒したいです。いいもの、すてきなものを届けるのが使命。現場にい続けられる役者でいたいと思っておりますので」と、今後の俳優業に強い意欲を見せた。

伊藤は、20年10月に自動車運転処罰法違反(過失傷害)と道路交通法違反(ひき逃げ)の疑いで逮捕され、21年3月に不起訴処分となり、同6月にファンクラブを立ち上げて芸能活動を再開する最中、阪本監督と出会った当時を振り返ったのか「監督に、どん底から救い上げていただきました。初めてなので、すごく…ちゃんと出来ているか分からないですけど、お手紙を書いてきました」と手紙を読み始めた。

「阪本順治監督。2021年5月26日、監督と出会いました。あの時、監督には自分なりの覚悟を持って会いに行きました。監督の顔を見た時、正直、何を聞かれるんだろう、何の話をするんだろうと、怖さに似た感情がありました。あの日から、今日の公開を迎えるまでの数ヶ月は、あっという間だった気がします。監督と出会えたこと、素晴らしい先輩方とご一緒できたこと…本当に感謝しかありません。『冬薔薇』は、僕にとって宝物です。阪本監督をはじめ、この作品に携わってくださった全ての皆様、お芝居する場所をくださったキノフィルムズの皆様、本当にありがとうございました。この『冬薔薇』は、僕にとって、自分の第2章の始まりだと思っています。阪本監督と出会い、この先、ずっと役者として生きていくと、芝居が大好きだと改めて強く思いました。阪本組に自分を招き入れてくれて、本当にありがとうございました。次は、ボクシング映画で、ご一緒したいです」

「冬薔薇」は、逮捕直後の20年11月に公開された主演映画「十二単衣を着た悪魔」以来2年ぶりの出演&主演映画。阪本順治監督が「十二単衣-」も製作・配給した、キノフィルムズから伊藤を主演に映画を撮ってみないかとオファーを受け、伊藤を1対1で取材。じっくりと話を聞く中で、順調だった俳優人生を暗転させた過ちと、その後の人生まで聞き出した。その上で作り上げ、伊藤のために書き下ろしたオリジナルの脚本は、同監督が伊藤との会話の中から感じたにおいや気配、独特のたたずまいなどが色濃く反映されている。撮影は21年11月に行われた。

阪本監督は「一方的に感謝されましたけど、一緒に仕事することがなかったら、このような物語は一生、書いていない。僕に物語をつづらせてくれた伊藤君にバラ、返します」と花束を返した。その上で「(監督作の)29作中4本、ボクシング絡み。(ボクシング映画は)大変ですよ。そんなに壊れたいのかな、と」と口にして笑った。

伊藤は「いつも思うんですけど、何て自分は人に恵まれているんだろうと思うんですけど」と声を震わせ、刹那にこぼれ落ちた涙を拭った。