乃木坂46の楽曲「他の星から」の歌詞やMVに登場し、ファンから「聖地」の1つとして親しまれていた東京・神楽坂の老舗甘味店「紀の善」が先月末で閉店したことが16日、明らかになった。同店の公式サイトで発表された。

サイトでは「紀の善 閉店のお知らせ」とし、「お客様へ 突然のお知らせではございますが、このたび店主の高齢化や諸般の事情により、令和4年9月30日をもちまして店舗を閉店させて頂きました」と報告。「長きにわたり何度も足を運んでくださいましたお客様、ご遠方よりご来店くださいましたお客様、常々ご利用くださいましたお客様、心より厚く御礼申し上げます。まことにありがとうございました」と記された。

同店関係者は電話取材に応じ「乃木坂さんの曲にも使っていただいて、皆さんにもごひいきにしていただきました。突然のご連絡になってしまい申し訳ございません」と感謝を伝えた。創業は明治維新前の1860年(万延元)頃。もともとは料理店だったが、戦後の1948年(昭23)から甘味を提供するようになったという。近日中に店舗に張り紙などを提示し、あらためて閉店を伝えるという。

乃木坂46の楽曲「他の星から」は、13年発売の6枚目シングル「ガールズルール」収録曲で、14年に行われたカップリング曲ファン投票では1位になったこともある、現在でもファンから根強い人気のあるナンバー。MVでは同曲センターの西野七瀬が同店であんみつを食べるシーンが収録されており、長らく「聖地」として知られていた。

閉店を受けツイッターなどのSNS上では、ファンから「紀の善閉店はショック」「またあんみつ食べに行きたかった…」「紀の善さん、長い間お疲れ様でした」など、悲しみやねぎらいの声があがった。