英テレビ局チャンネル5が、1912年に北大西洋に沈没した豪華客船タイタニック号の残骸を観に行く観光ツアー中に行方不明となった潜水艇「タイタン号」の捜索活動が続く中、現地時間22日午後7時から関連するドキュメンタリー番組を放送し、その最中に乗員5名の死亡が確認される最悪の事態となった。SNSでは放送を巡って、放送前から「早すぎる」との懸念の声が多く上がっていた。
18日に消息を絶ったタイタン号の酸素残量がなくなるとされる英国時間午後1時からわずか数時間後にチャンネル5は、英国の制作会社ITNが製作を手掛けた「タイタニック・サブ:ロスト・アット・シー」と題されたタイタン号に関する番組を放送したが、放送開始の少し前にタイタニック号の沈没現場近くで潜水艦の破片が発見されたとの一報が入り、放送中に運航するオーシャンゲート・エクスペディションズが乗員5人の生存は絶望的だとする声明を発表した。
視聴者からは「このタイミングで放送するのは残忍」「悪趣味で家族への思いやりがない」「卑劣でぞっとする」と批判が殺到。結果的に番組はドキュメンタリーとしての体裁をなさず、「ただの生放送の特別番組になった」との意見や「破片が発見された後に見るには、ちょっと早すぎる」とタイミングの悪さを指摘する声が寄せられている。
ITNは、番組は「探索そのものから、エクストリーム・ツーリズムの台頭、救出活動に至るまでを描くもの」だと説明し、同時に海の底に閉じ込められた乗員5人についての人間的な物語になると述べていた。
タイタン号には、ツアーを運航するオーシャンゲートのストックトン・ラッシュCEO、英実業家で探検家のヘイミッシュ・ハーディングさん、パキスタンの実業家シャザダ・ダウッドさんとその息子、元仏海軍の潜水士ポール=アンリ・ナルジョレさんの5人が乗っていたと伝えられている。(ロサンゼルス=千歳香奈子)



